通学訓練等の視察2012年11月19日 23時50分

ノルトホルンにおける特別支援学校の生徒の通学風景と、
通学訓練の視察です。
ホテルから4人(中村先生、大原先生、私、大家さん)で歩いて
中央バスステーションに行き、朝7時半、クロスさんと合流しました。

ここはバスの乗り継ぎターミナルになっています。
同時間帯に複数路線が集約し、乗り継ぎがスムーズにできることを
タイムドトランスファー(timed-transfer)というのですが、
ドイツでもこういう場所は珍しいとのことです。

次々とバスがやってくるのですが、今朝はすごい霧です。

見ていると、子どもたちはスムーズに乗り継いでいます。
ヒアリングで教えていただいたところによると、生徒のうち約75人が
バスで通学しているとのことです。
私たちもバスに同乗させていただきました。
生徒以外にも一般のお客さんも利用していて、混雑していました。
特別支援学校の生徒たちが、乗車中、静かにきちんとしていることに
驚きました。

学校に到着し、まずは送迎サービスによる通学の様子を見学。
ミニバスタイプの車両で個別輸送サービスを行っているようです。


車に付いているオレンジ色の図は「通学バス」を意味しているそうです。

部屋に入り、きょうは県の交通部局長のクロスさんによるプレゼンを
最初に聞きました。
じつはこのクロスさんは、ノルトホルンのこの取り組みの
最大のキーパーソンなのでした。
私の向かいで聞いている左端が副校長、右端が校長先生、
そしてきょう新たに参加してくださっているブッシュさん
(真ん中の女性)もキーパーソンの一人です。
通学訓練や交通安全のための教材や教育方法を開発し、実践されています。

そのあと教室を回って教育風景を見学することになったのですが、
ここで大変なことが判明。

校長先生が「12時近くに、地元のテレビ局と新聞社が取材にきます」
と私たちに伝えたのです。

さあ〜どうしましょう。
私たち4人は、12時にはホテルをチェックアウトして、
18時の飛行機でデュッセルドルフ空港から次の目的地ミュンヘンに
行かなければなりません。

どうやら、国境近くの小さな街に遠い外国から交通の専門家が視察に
やってきたということが、地元では大ニュースだったようなのです。
前にカナダから視察にきたことがあるそうですが、
この取り組みに注目して日本から専門家がきたことは
大変名誉なことと受け止められたのでしょう。
とりあえず、バードベントハイム13時50分の列車に乗れば
フライトに間に合うことを確認して取材を受けることにしました。

教育訓練の様子、自転車の乗り方訓練の様子、ブッシュさんによる
教材や教育方法の説明などを受け、写真もたくさん写したのですが、
報告書で発表しますので、ここでは1枚だけ載せます。

次が、今回調査の目的の一つ、本物のバスを使っての通学訓練
(バススクール)の見学です。
専用の大型バスは学校敷地まで入れないので、隣接している広い
駐車場まで行きました。これがバススクールの車両です。

きょうの対象クラスの生徒は10人。
トレーナーの男性(地域の運輸連合のバススクールの専属担当)が
運転席からの死角(オレンジ色のマット内)や、バスへの乗り方など
説明します。
そして乗り方の練習。

運転士さんに定期券を見せること、ちゃんと座席に座ること、
最前列の席に座ったらシートベルトをすること、ボタンの押し方、
非常口の開け方など説明し、降り方の練習もしました。
急ブレーキをかけると、通路の後ろの床に置いたポリ箱が
いきおい良く前方まで滑っていく実験は、迫力がありました。

なお、定期券は顔写真入りで、県から無償で提供され、有効期限は
半年間、登校日のみ使えるゾーン制のものだそうです。)

教室に戻ったところで、マスコミの方がやってきました。
新聞社の取材を受ける中村文彦教授。
横の女性はきのうから対応してくださっている教師の方。
彼女は英語が堪能で、中村先生の英語をドイツ語に通訳して
新聞記者に伝えていました。

もう一回外に出て、テレビ局のためにバススクールの風景撮影です。
さっきとは別のクラスの生徒が来て、乗り方の訓練をしているところを
撮影していました。
(どこの国でもテレビ局が絵を撮りたいのは同じですね。)
テレビの取材を受ける中村教授。


このインタビューの映像は、インターネットテレビですでに
アップされています。

http://www.ndr.de/regional/niedersachsen/emsland/mogliprojekt119.html

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック