渡米は11月2018年08月01日 06時43分

昨夜、IATSSで中村文彦先生PLの研究会がありました。

調査のためニューヨークに出張することになっているのですが
11月になりそうです。

一緒に行くことになっている白石真澄先生と日程をすり合わせた
結果、このようになりました。

大学の先生の多くは夏休みの8、9月ごろに海外出張されるので
渡米は8月下旬から9月にかけてになるかなと、各種予定を
ペンディングしておりましたが、全て出席可能になりました。

劇場に関連する調査をします。
ブロードウェイの劇場は真夏は上演される演目が少ないので、
秋以降の方が正解かもしれませんね。
取り急ぎご報告。

昨夜は藤井聡・京都大学教授が私の隣に座られました。
読売新聞の論点を拝読しました」
「え、私はそれ読んでないんですよ」
と言うご本人の返事で一同大爆笑。
持参していった新聞の切り抜きを急遽、事務局の方がコピーして
出席者全員に配布してくださり、ひとしきり災害対策の話題で
盛り上がりました。

それにしても昨夜の藤井教授は妙に穏やかでした。
前回は「狂気論」をとうとうとまくしたてられ、他の皆さんもまた
あの熱弁を聞けるかと楽しみにしていたようなのですが・・(笑)

「人間というのは狂気の存在だ。
だから最終的に必要なのは狂気を支えるような都市インフラだ」

『対論 「炎上」日本のメカニズム』
佐藤健志・藤井聡(共著) 文春新書


本の表紙:作品紹介とも出典は文藝春秋BOOKS

国交省、警察庁にあいさつ回り2018年08月03日 20時23分

国交省、警察庁の幹部の人事異動がありましたので、昨日、
全標協の会長や専務理事らとごあいさつ回りをしました。

国交省事務次官室には数回足を運んだのですが、あいにく
取材や面談が立て込んでいて、残念ながら森昌文次官には
ついにお目にかかることができませんでした。

逆に幸運だったのは、道路局長の池田豊人さんと想定外の
場所(国交省の玄関近くの通路)でお会いできたことでした。
ちょうど外出するところだったそうです。
ラッキーとしか言いようがありません。
池田さんとはこれまで各地で一緒にお仕事をさせていただき
ました。
道路局長として霞ヶ関に戻られ、嬉しく思っています。

警察庁では北村博文交通局長がじっくり私たちの声に耳を
傾けてくださいました。
あいさつだけのつもりでしたのに、「路面標示用黄色塗料の
鉛・クロムフリー」への移行に伴う問題点について関心を示して
くださり、矢継ぎ早に質問されました。
黄色の実線(いわゆる「はみ禁」)はまさに警察の管轄ですので、
しっかりと説明させていただきました。
ありがたいことです。

黄色塗料の無鉛化については稿を改めます。

黄色塗料の無鉛化(鉛・クロムフリー塗料への移行)2018年08月08日 20時06分

2002年に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開催された
「第2回地球サミット」で、鉛含有塗料を廃絶するための重要な
行動計画の策定が決定されました。
「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」
(SAICM:サイカム)です。

SAICMでは、2020年までに化学物質の製造と使用による人の健康
と環境への悪影響を最小化することを目指し目標を設定しました。

ここから化学物質の一つである塗料製品の話になります。

塗料は色々な施設や製品を風雨や日光や薬品などから保護したり、
美観を向上させるために、対象物の表面に塗りつけられる材料の
ことです。
塗料は様々な物質から構成されており、配合と使い方によっては
環境に無視できない影響を及ぼします。
過去にはPCBや石綿が塗料の原料として使用禁止にされたり、
ホルムアルデヒドの建築材料中での使用制限が法制化されたり
してきました。

鉛は従来の塗料用原料の中に多く含まれ、最も中毒を起こし
やすい重金属です。
継続して摂取すると慢性中毒を起こすことでも知られています。
公園の遊具の塗料にも鉛が含まれており、幼児の口からも摂取
される危険性があります。

 遊具の塗料が子どもの手に付着する
→子どもが手をなめたり、食べ物を口に入れたりするときに
 塗料中に含まれる鉛(重金属)が体内に取り込まれる
→取り込まれた鉛成分は体内に蓄積され、親が気づかないうちに
 鉛中毒になってしまう

幼児期は少量の鉛成分でも影響を受けやすく、知的障害や神経
障害につながる恐れが高くなります。

ちなみに東京都では「鉛ガイドライン」(塗料編)を策定し、
子どもが多く利用する施設や遊具の塗料には鉛フリーの塗料を
使うよう指導しています。

平成14年(2002年)9月発行パンフレット
「化学物質の子どもガイドライン ー鉛ガイドライン(塗料編)ー」
から一部抜粋します。
編集発行は、東京都環境局環境改善部有害化学物質対策課


道路の塗料では路面標示用黄色塗料に鉛が含まれていることから
全標協でもかなり前から「黄色塗料の無鉛化」に向けた取り組みを
してきました。

上記:『路面標示と交通安全』 技術資料 Vol.8 より転載
   全標協 関東支部 東京都協会 平成20(2008)年4月発刊

鉛含有塗料の廃絶に向けた国際的な動きに合わせ、日本では
経済産業省が中心になり、取り組みを推進しています。

路面標示に用いられる黄色塗料には黄鉛顔料(クロム酸鉛)が
使われています。
上の資料にありますように、警視庁では全国に先がけ2006年度から
鉛クロムフリー塗料を採用しましたが、その後他の地方自治体でも
鉛クロムフリー黄色塗料を採用するようになりました。

2016年3月から2018年3月までの日本工業規格(JIS) 改正作業を
経て、本年4月にJISK5665 のJISが改正されました。
下記資料:「路面標示用塗料のJIS改正」
平成28年(2016年)3月22日 経済産業省



2019年までの1年間は移行(猶予)期間となっていますが、来年4月
からは鉛を含有した黄色塗料を使うことはできません。

コンクリート崩壊2018年08月10日 20時02分

ブログには全く書いてきませんでしたが、3年前から「土木技術者」
としてお手伝いしている案件があります。
土木の技術も日進月歩ですので、大学時代に学んだことが、今では
陳腐化していることは珍しくありません。
それで必要に応じてその都度、関連する技術論文や文献を読み漁る
日々を送ってきました。

最近、仲間と情報交換する中で、インフラの劣化、特にコンクリート
構造物の劣化について、各種文献に目を通しています。

一般市民が読んでも分かりやすく書かれている本として、
『コンクリート崩壊  危機にどう備えるか』
溝渕利明著 PHP新書875 (2013年7月30日発行:PHP研究所)
があります。

溝渕先生は岐阜県出身。法政大学教授。
土木の世界は割と狭いのですが、私は溝渕教授と面識はありません。

この書物の中に、こんな記述があります。

100年以上経過しても健全な戦前のコンクリート構造物は、(略)
その分人が手をかけて丁寧に打ち込んだコンクリートである。
      (中略)
戦後のコンクリートは、機械化が進み、人の手がかからなくなった分、
年取るのが早くなったというか、もともと体質的に弱いコンクリートと
なっているように思う。
したがって、100年前のコンクリート構造物が健全だとしても、
高度成長期にできた構造物も同様の耐久性を持っているとは
いえない。

コンクリート構造物の今後のあり方について研究し、まとめた論文も
土木学会で発表されています。
特に示唆に富んだ内容だったのは、

平成19年度土木学会重点研究課題(研究助成金)
「コンクリート構造物のインフラマネジメントに関する研究」
成果報告書(概要版) 研究代表者 河野 広隆(京都大学大学院)

です。
河野先生(現:京都大学教授)らは、今後、確かな品質のコンクリート
構造物を施工し、維持していくためには、土木の技術者だけではなく、
利用者とも連携していく姿勢が大事であると指摘しています。
そして下図のようにインフラマネジメントを定義しました。

(上記の図の出典:「コンクリート構造物の「インフラマネジメントに
 関する研究」成果報告書(概要版) 
 研究代表者 河野広隆(京都大学大学院) 土木学会

高度成長期、私も技術者として、土木構造物の設計業務に携わって
いました。
これからも声がかかる限り、できる範囲で、安心で安全なインフラを
維持していくためのお手伝いを続けていくつもりです。

ジェノバで高架橋崩落2018年08月15日 18時47分

イタリア北部のジェノバで、8月14日、高速道路の高架橋が
約200mにわたって突然崩落しました。
死者は少なくとも35人。今後さらに増えそうとのことです。

『コンクリート崩壊』を読んだばかり。
恐れていたことが現実に起きてしまいました。

ジェノバ高架橋崩落の記事2018年08月17日 14時17分

K先生より、ジェノバ高架橋崩落の新聞記事が送られてきました。
ガーディアンとニューヨークタイムズです。

ニューヨークタイムズには以下のような記述があります。

この橋(Morandi Bridge : モランディ橋)は1963年から1967年に
かけて建設されました。
専門家は何年も前からこの橋の危険性を警告していました。
設計上の欠陥、メンテナンス不良、標準以下の材料の使用などが
疑われています。
イタリアにある25,000橋の多くは1950年代から1960年代に建設
されており、およそ半分は徹底的な点検が必要とされています。
イタリアでは過去にも高架橋の崩落があり、死者が出ています。

この週末に、ジェノバにある2つのサッカーチーム、ジェノアと
サンプドリアのシーズン開幕戦が予定されていましたが、喪の期間
であるとの認識で、延期されました。

富士山噴火の降灰2018年08月30日 20時32分

中央防災会議が富士山が大規模噴火した場合の降灰による
被害想定を見直す方針を決めました。

富士山(標高3,776m)の活動度はランクBとされています。
ランクBとは100年活動度 または1万年活動度が高い活火山です。

古文書等の歴史的資料によれば、富士山は確かな噴火記録だけ
でも、781年以降10回の噴火が確認されています。

約2200年前以降で最大の火砕物噴火が1707年の宝永噴火で、
最大の溶岩流噴火が864〜866年(貞観6〜7年)の貞観(じょうがん)
噴火です。

東京都では富士山火口から距離があるため(富士山山頂火口から
新宿区の都庁まで約95km)、溶岩流や火砕流の被害を受けること
は想定しておらず、広範囲な降灰による被害を想定しています。

これまで東京都では富士山ハザードマップ検討委員会に示された
被害想定をもとに防災の計画を立てていました。
政府も都心の降灰は最大5cm程度と見積もっていました。
近年の研究で降灰が10cm以上となる可能性が指摘されていること
から、被害想定を見直すことになったものです。

下記は本日(8月30日)読売新聞夕刊に記載された記事です。